アンサンブル
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21 巻, 3 号
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特集
連載
  • 三上 益弘
    2019 年 21 巻 3 号 p. 213-219
    発行日: 2019/07/31
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

    分子動力学法(以下,MD ) は,モンテカルロ法とともに,統計力学の数値解法である.モンテカルロ法は,統計力学の物理量の期待値の公式を,ボルツマン分布を実現する乱数を用いた数値積分により求める方法であり,分子動力学法に比べてより直接的に統計力学と結びついている.一方,分子動力学法は,エルゴード仮説により,分子動力学法で計算される物理量の時間平均値が統計力学で定義される物理量のアンサンブル平均と等しいという仮定の下に統計力学の数値解法となっている.今回は,マイクロカノニカルアンサンブルとカノニカルアンサンブルの分子動力学の基礎とその計算方法について説明する

最近の研究から
博士論文紹介
  • 野村 昴太郎
    2019 年 21 巻 3 号 p. 232-236
    発行日: 2019/07/31
    公開日: 2020/07/31
    ジャーナル フリー

    カーボンナノチューブなどのナノ細孔に閉じ込められた物質は,バルクとは異なる総挙動を示すことが知られている.本研究では,等温等圧レプリカ交換分子動力学シミュレーションを直径12.5 A のカーボンナノチューブに閉じ込められた準一次元系の水に適用し,解析を行った.広い温度・圧力範囲を探索するために,GPU を用いてシミュレーションを高速化した.六角柱型準一次元氷と水の固液共存線は固液等容点で傾きの符号が逆転する.等容点を頂点とした凸型の共存線に隔てられて存在する2 つの液相の構造が異なることから,高密度液体相と低密度液体相の2 つの液相が存在することを示した.また,自由エネルギー表面の計算及び有限サイズ効果の検証を行い液相固相間の転移が一次相転移であることを示した.同様の解析を行い,さらに高圧の領域では七角柱型の準一次元氷と液相との間の固液臨界現象が起こっていることを示し,臨界点の推定を行った.

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