2021 年 23 巻 4 号 p. 237-241
PMMA 樹脂の中にa-Al2O3 粒子を分散させた複合材料の粒子分散構造を, 直接数値シミュレーション(DNS) によって評価した.粒子間斥力の起源を粒子表面に形成された界面相同士の反発とするモデルを定義し,溶 融混練法を想定した DNS を行い,粒子分散構造をシミュレートした.これを二次元動径分布関数に変換し, 実験的に作製した複合材料の粒子分散構造と比較した.比較検証の結果から,モデルが適切であると判断し, 複合材料の研究開発において界面相を考慮することの重要性を明確化した.この一連の研究を振り返り,計 算機シミュレーションと企業研究とのインタープレイについて考察した.