2022 年 24 巻 2 号 p. 96-103
富岳産業利用枠を利用した全固体電池界面の第一原理計算による解析を紹介する.固体・固体の界面は固体・液体界面構造と比べても計算モデルの立て方が難しく,信用できる結果を得るには考察する界面構造ごとに複数のモデルを計算し、物理量の分布を評価する必要がある.このため,富岳の様な大規模計算リソースが有用となる.本稿では全固体電池で問題となる電極活物質と固体電解質の界面で生じるLi 伝導の抵抗要因を,電解質が硫化物の場合と酸化物の場合を比較しながら,第一原理計算によって考察した結果を紹介する.