マイコトキシン
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市販ピスタチオナッツのアフラトキシン汚染
田端 節子
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2001 年 51 巻 2 号 p. 87-93

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抄録
1982~1999年の18年間にピスタチオナッツ621試料のアフラトキシン(AF)汚染調査を行った.621試料中18試料からAFが検出され,検出率は約3%,検出量はAFB1で0.8~1380 ppbであった.AFが検出された試料のうち5 試料(28%)は日本の規制値(10 ppb)以下であったが,他の13 試料(72%)は規制値を超えており,100 ppb以上検出された試料は約40%であった.全体の検出率は高くはないが,検出量は多いという結果が得られた.AFが検出されたものを産地別に見ると,米国産が1試料(AFB1: 0.8 ppb)であり,他のすべてはイラン産であった.なお,1試料を除き,AFB群のみが検出され,AFG群は検出されなかった.厚生省による検査命令により,輸入時にピスタチオナッツは全ロット,AFの検査をすることが義務付けられており,規制値以上のAFを含むものは処分される.これにより,市販ピスタチオナッツのAF汚染は軽減されていると考えられるが,それでも,規制値を超えるAFが検出されている.市販品が規制値以上のAFを含まないようにするために,輸入時の検査をさらに厳しくする必要があると考える.
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© 2001 日本マイコトキシン学会
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