マイコトキシン
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原著
コメ中のフモニシンB1, B2, B3の液体クロマトグラフィーによる定量
久城 真代鄭 雅志佐合 由紀田中 健治永田 忠博
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2007 年 57 巻 2 号 p. 95-104

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抄録
コメに付着するイネ馬鹿苗病菌Gibberella fujikuroiは, フモニシンの主な産生菌であるトウモロコシ赤カビ病菌Fusarium verticillioidesの近縁であるため, コメでフモニシン汚染が懸念されている. しかしながら, フモニシン分析法のほとんどは, トウモロコシ, コムギを対象としており, コメを対象とした分析法はこれまでに無かった. そこで今回, フモニシン汚染された人工カビ米を作成し, コメ中フモニシン(フモニシンB1, フモニシンB2, フモニシンB3)の効率的な抽出法とHPLCによる定量法を開発した. 浸漬抽出により, 種々のコメ試料での添加回収試験において, 安定して高い回収率が得られた. 定量には, プレカラム誘導体化機能付き液体クロマトグラフィー-蛍光検出法(HPLC-FL)もしくは液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法(LC-MS/MS)を用いた. フモニシンB1について, LC-MS/MSでHPLC-FLの十分の一の検出限界が得られた. 
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© 2007 日本マイコトキシン学会
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