マイコトキシン
Online ISSN : 1881-0128
Print ISSN : 0285-1466
ISSN-L : 0285-1466
総説
微生物シグナル化合物の化学
岡田 正弘戚 建華坂神 洋次
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 59 巻 2 号 p. 55-66

詳細
抄録
枯草菌の ComX フェロモンは,翻訳後修飾を受けたオリゴペプチドである.このペプチドは,細菌密度に依存(クオラムセンシング)して分泌され,細胞のコンピテンス(遺伝子導入能)を誘導する.我々はRO-E-2 株が生産するComXRO-E-2 フェロモンの構造を明らかにした.このフェロモンは,アミノ酸6 残基からなり,トリプトファン残基がゲラニル基で修飾され3 環性構造をとるという特異な構造を持っていた. 疫病菌は,世界的に見て最も大きな被害を与えている植物病原菌の一つである.疫病菌には有性世代を持つものが知られていて,異型の菌が分泌するホルモンによって卵胞子を形成する.我々は,タバコ疫病菌のA1 株が生産するホルモンα1 を単離し,炭素20 個からなる直鎖イソプレノイドであることを決定した.また合成的に4 個の不斉炭素の絶対立体化学構造も明らかにした.
著者関連情報
© 2009 日本マイコトキシン学会
次の記事
feedback
Top