抄録
ニバレノール(NIV)の毒性発現機構を解明するために,JNK とp38 の2 種のストレス応答MAP キナーゼ(SAPK)のHL60 細胞におけるNIV 誘導性の細胞毒性とインターロイキン(IL)-8 分泌への関与を検討した.NIV24 時間処理でリン酸化(活性型)JNK は増加し,その量は1 μg/mL の時に最も多かった.この濃度で処理したタイムコース実験によりリン酸化JNK は12 時間でピークに達した.リン酸化p38 でも同様の結果だった.次にJNK 特異的阻害剤SP600125 とp38 特異的阻害剤SB203580 がNIV による細胞毒性とIL-8 分泌に与える影響について検討した.NIV とSAPK 特異的阻害剤で同時処理するとNIV 単独処理と比べて細胞増殖阻害は減じたので,SAPK はNIV による細胞増殖阻害に関与すると考えられた.SP600125 がNIV 誘導性のIL-8 分泌を顕著に減じたことは,JNK がこの分泌に寄与していることを示している. SB203580 がNIV 誘導性のIL-8 分泌を減じた.この効果は穏やかであったが,SB203580 単独処理で顕著に IL-8 分泌が増加したことを考え合わせると,p38 のNIV 誘導性のIL-8 分泌への寄与は大きいと考えられた.