マイコトキシン
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Research Papers
オクラおよびゴマの種子から単離されたフザリウム種,生産するマイコトキシンおよびその毒性
Chibundu N. EZEKIELCyril C. NWANGBURUKAGibson O. CHIOMAMichael SULYOKBenedikt WARTHClement G. AFOLABIAdenike A. OSIBERUMichael O. OLADIMEJIOlarenwaju A. DENTONGrace O. TAYORudolf KRSKA
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2013 年 63 巻 1 号 p. 27-38

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抄録
 2系統のオクラと 17サンプルのゴマの種子のフザリウム汚染について調査を行った.2系統のオクラからは 6菌株,10サンプルのゴマからは 31菌株,合計 37種のフザリウム菌株が得られた.得られた菌株は F. oxysporumF. semiticumF. verticillioides の 3つの種に属した.オクラからの全ての株は F. semitectum と判明し,ゴマでは 3フザリウム種が発生していた.これらの作物から無作為に選んだ 6つの菌株をオファダ米で培養し,粗抽出液をアフリカナマズの幼魚に作用させてマイコトキシン産生能のあるものをスクリーニングした.オファダ米での培養菌体からは 6種類の代謝物,equisetin(EQUS),fumonisin B1(FB1),FB2,methyl-equisetin(M-EQUS),moniliformin(MON)および zearalenone(ZEA)の生産が認められた.全ての菌株は EQUS を 454-29,983 μg/kg の濃度で生産した.F. semitectum BUFC 041 と F. oxysporum BUFC 024 を除く全ての菌株が MON と ZEA を生産し,3菌株の F. semitectum は M-EQUS を生産した.F. verticillioides だけが fumonisin を生産した.これらの作物から得られた毒素産生のプロファイルとレベルはフザリウム種の中でも異なっていることが明らかとなった.MON を生産しないために 62.2 %しか殺さなかった F. semitectum BUFC 041 を除く全ての菌株の培養抽出液はアフリカナマズの幼魚を 100 % 殺した.本研究成果はオクラとゴマは毒素を産生するフザリウムの潜在的汚染源であることを示唆する.
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© 2013 日本マイコトキシン学会
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