マイコトキシン
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Research Papers
アフラトキシン B1 誘導ラット肝細胞癌由来 K2 細胞の悪性化に secreted protein acidic and rich in cysteine(SPARC)のダウンレギュレーションが関与している
須田 三記也鴨志田 光林 朋子小川 槙子大塚 寛子村上 重和古宮 裕子村上 康文秋山 弘匡田代 文夫
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2013 年 63 巻 2 号 p. 151-159

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抄録
14-3-3 ファミリータンパク質は,様々なシグナル伝達経路に関わっている.以前に私達は,アフラトキシン B1 誘発ラット肝細胞癌由来 K2 細胞において14-3-3β/fourteen-three-three-beta interactant1(FBI1)/specific protein 3(Sp3)転写因子/histone deacetylase 1(HDAC1)複合体は,MAP kinase phosphatase 1(MKP-1)の遺伝子発現を負に制御することで MAP キナーゼシグナル伝達経路を活性化し,転移や造腫瘍能を賦与していることを明らかにした.本研究においては,K2 細胞の悪性化メカニズムをさらに解明するために,マイクロアレイによる14-3-3β/FBI1/Sp3/HDAC1 複合体の標的遺伝子の解析を試みた.その結果,secreted protein acidic and rich in cysteine(SPARC)が標的遺伝子の一つとして同定された.ルシフェラーゼレポーターアッセイおよびクロマチン免疫沈降法による解析により,14-3-3β/FBI1/Sp3/HDAC1 複合体はSPARC 遺伝子のプロモーター領域の GC box に結合することで SPARC 遺伝子の発現を抑制することが明らかとなった.さらに K2 細胞内で SPARC を強制発現させると,半固形培地中でのコロニー形成が著しく阻害された.これらのことより,14-3-3β/FBI1/Sp3/HDAC1 複合体による SPARC 遺伝子発現のダウンレギュレーションが K2 細胞の悪性化に強く関与していることが明らかとなった.
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© 2013 日本マイコトキシン学会
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