抄録
デオキシニバレノールをはじめとする,いわゆるフザリウムトキシンによる食品の汚染は世界中に広がっており,食の安全の観点で大きな問題となっている.フザリウムトキシンのうち,デオキシニバレノール,ニバレノール及びフモニシンを対象とした実態調査については,厚生労働省や農林水産省によって既に実施されてきた.しかし,T-2 トキシン,HT-2 トキシン及びゼアラレノンについては,JECFAによる毒性評価がなされているにもかかわらず,我が国における汚染実態の情報はほとんど得られていない.そこで,2010年度より厚生労働科学研究補助金- 食品の安全確保推進研究事業- において国内市販食品や輸入食品におけるそれらカビ毒の汚染実態調査を3年間通年で実施した.