マイコトキシン
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イソチオシアン酸アリルとイソチオシアン酸メチルがアフラトキシン産生菌の生育およびアフラトキシン生産に及ぼす影響
晴山 陽平久城 真代藤井 義晴
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2019 年 69 巻 2 号 p. 81-83

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抄録

 本研究では,イソチオシアネート類(ITCs)がアフラトキシン産生菌のアフラトキシンB1(AFB1)生産に及ぼす影響を評価した.実験ではアリルイソチオシアネート(AITC)とメチルイソチオシアネート(MITC)を用い,AFB1産生菌としてAspergillus flavusを使用した.ITCsはジメチルスルホキシドで希釈して液体培地に添加し,3連にてA. flavusの培養を行った.ITCsの添加によって,培地中のAFB1濃度はITCsの濃度依存的に低下し,菌の湿重量も減少した.菌のAFB1生産に及ぼす影響を検証するために,バイオマスあたりのAFB1生産量を推定したところ,培地のITCs濃度依存的に減少した.これらの阻害作用はAITCよりMITCの方が強かった.AITCとMITCは特定のアブラナ科やフウチョウソウ科の植物に揮発性物質といて含まれることが知られている.したがって,これらの植物を用いることで新しいアフラトキシンの抑制方法を開発できるかもしれない.

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© 2019 日本マイコトキシン学会
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