マイコトキシン
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過去に同定された毒素産生性FusariumおよびGibberella菌株の種特異的プライマー対を用いたPCR検出による再分類
杉浦 義紹
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2020 年 70 巻 1 号 p. 15-18

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抄録

 最近のフザリウム分類によれば,フザリウム・アジアティカムと狭義のフザリウム・グラミネアラムが日本産小麦と大麦に赤カビ病を起こすことが知られている.本論文では過去に同定されたフザリウム・ロゼウムKU-117菌株とジベレラ・ゼアエ8菌株について種特異的プライマーを用いたPCR検出で再分類した.その結果,KU-117菌株はフザリウム・アジアティカムに分類された.ジベレラ・ゼアエ菌株のうち青森由来の3菌株は狭義のフザリウム・グラミネアラム,岩手,東京,熊本,長崎由来の残りの5菌株はフザリウム・アジアティカムであった.供試したジベレラ・ゼアエ菌株のRAPDパターンは遺伝的多様性が低いことを示した.得られた結果からフザリウム・アジアティカムと狭義のフザリウム・グラミネアラムには地域的な分布があることを再確認した.

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© 2020 日本マイコトキシン学会
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