マイコトキシン
Online ISSN : 1881-0128
Print ISSN : 0285-1466
ISSN-L : 0285-1466
Award Review
かび毒の天然物による生産制御と検出に関する研究
吉成 知也
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 72 巻 2 号 p. 71-73

詳細
抄録

 アフラトキシン類は,Aspergillus flavusAspergillus parasiticusなどのかびによって生産される二次代謝産物で,トウモロコシ,木の実,ドライフルーツ,香辛料など様々な食品から検出される.非常に強力な発がん性を有することから,食品におけるアフラトキシン汚染の防除は,安全な食品の流通の観点から喫緊の課題である.かびによるアフラトキシン生産を制御可能な化合物の応用は,農作物のアフラトキシン汚染防除に有効と期待されており,これまでに数多くのアフラトキシン生産阻害物質が天然有機化合物などから発見されている.我々は,放線菌が生産する二次代謝産物を対象に新規のアフラトキシン生産阻害物質の探索を行ってきた.このレビューでは,我々が研究に取り組んできたアフラトキシン生産阻害物質であるブラストサイジンA,ブラストサイジンS,ジオクタチンA及びポリオキシン類について,紹介する.

著者関連情報
© 2022 日本マイコトキシン学会
次の記事
feedback
Top