日本内科学会雑誌
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IV.最近の話題
3.肥満症と新たな分泌因子 1)Vaspin
和田 淳勅使川原 早苗中司 敦子槇野 博史
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2011 年 100 巻 4 号 p. 996-1001

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抄録

バスピン(vaspin)は肥満ラットの内臓脂肪から発見されたアディポサイトカインである.肥満マウスへのリコンビナント蛋白の投与実験から肥満症におけるインスリン抵抗性を改善する代償因子であると考えている.バスピンはヒトの血中にも存在し,肥満症においては体格指数,インスリン抵抗性指数と正相関を認めるとの報告が多い.また2型糖尿病でも血中濃度が増加し,女性で高値である.アディポネクチンやレプチンとは異なった血中濃度動態を示しており肥満症治療の新たな分子ターゲットである.

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