日本内科学会雑誌
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今月の症例
Proteinase-3-antineutrophil cytoplasmic antibody(PR3-ANCA)が陽性となった感染症関連腎炎の2症例
音羽 孝則滝沢 英毅小川 弥生高田 珠山地 泉浦 信行
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2012 年 101 巻 2 号 p. 461-464

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抄録

症例1は59歳,男性.Erysipelothrix Rhusiopathiaeによる感染性心内膜炎に腎炎を合併しPR3-ANCA陽性となり,腎病理にて管内増殖性糸球体腎炎の所見を認めた.症例2は,くも膜下出血にて脳室心房短絡術を施行された61歳,男性.PR3-ANCA陽性となりメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(Methicillin Resistant Coagulase Negative Staphylococci:MRCNS)による髄膜炎(シャント感染)とそれによるShunt nephritisをきたした.腎病理にてPauci-immune crescentic glomerulonephritisの所見を認めた.PR3-ANCAはWegener肉芽腫のみならず感染性心内膜炎,Shunt nephritisでも陽性になることが知られている.今回PR3-ANCAが陽性となった感染症関連腎炎の2症例を報告する.

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