日本内科学会雑誌
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今月の症例
妊娠中期に心不全増悪を来たし,帝王切開にて出産したFontan術後の1例
小林 淳高野 真澄高橋 秀憲桃井 伸緒鈴木 均齋藤 修一藤森 敬也竹石 恭知
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2012 年 101 巻 2 号 p. 465-467

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抄録

症例は27歳,女性,6歳時にFontan手術を施行され,その後心不全徴候なく経過し,27歳時に妊娠が確認された.妊娠27週にて急激な心不全の増悪を認め,妊娠28週にて帝王切開に至った.出産後は速やかに心不全は改善した.Fontan手術成績が向上し,成人期に到達するFontan手術後患者は増加している.Fontan手術後患者における妊娠は,循環血液量の増加などにより心不全を発症し妊娠継続が困難な症例が多く,Fontan循環を熟知した関係各科との綿密な連携のもとに周産期管理が行われる必要があると考えられた.

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© 2012 一般社団法人 日本内科学会
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