2012 年 101 巻 4 号 p. 1075-1078
ニューモシスチス肺炎(PCP)はPneumocystis jirovecii(P. jirovecii)を病原体として発症する日和見感染であり,化学療法中等の免疫不全状態においては致死的となりうる合併症である.肺癌治療中にスリガラス影を伴う肺炎像を認めた症例でのPCR陽性率は,他の固形腫瘍治療中の患者群と比較して有意に高く,肺癌の存在,骨髄抑制,ステロイド投与,放射線照射による組織障害などが複合的に局所免疫を低下させている可能性がある.