日本内科学会雑誌
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I.骨髄不全の病因と病態
4.骨髄線維症の病因と病態
北中 明下田 和哉
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キーワード: 骨髄増殖性腫瘍, JAK2, TET2
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2012 年 101 巻 7 号 p. 1906-1912

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抄録

原発性骨髄線維症と,二次性骨髄線維症の原因となる真性多血症,本態性血小板血症の3疾患は,複数系統の血球増加,脾腫,髄外造血などの共通した臨床像を呈し,骨髄増殖性腫瘍に分類される.造血幹細胞の自己複製能を亢進させるTET2EZH2変異と,サイトカイン非依存性の造血細胞の自律増殖を促すJAK2MPLC-CBL変異などが協調して発症する.一方,骨髄の線維化,骨硬化は骨髄間質細胞の反応性の変化であり,クローナルに増殖した造血細胞が産生するTGF-βが骨髄の線維化に,線維芽細胞から産生されるOPGが骨硬化に関与している.

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© 2012 一般社団法人 日本内科学会
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