2013 年 102 巻 4 号 p. 976-978
症例は88歳,女性.基礎疾患として肝機能障害はなく,神経因性膀胱とAlzheimer型認知症がある.高アンモニア血症による意識障害で当院に入院した.尿閉があり導尿したところ,速やかに意識障害は消失し高アンモニア血症も改善した.尿培養からウレアーゼ試験陽性のCorynebacterium urealyticumが検出され,ウレアーゼ産生菌が原因の閉塞性尿路感染症による高アンモニア血症と診断した.高齢者の高アンモニア血症の鑑別疾患として,排尿障害,特にウレアーゼ産生菌による尿路感染症を考える必要がある.