日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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I.注目される感染症
2.HIV感染症診療の進歩
立川 夏夫
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2014 年 103 巻 11 号 p. 2666-2673

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抄録

世界はHIV(human immunodeficiency virus)感染症伝播に関してはまだ敗北している状態であり,青年・成人の約0.8%がHIV罹患しており,米国では毎年5万人の新規HIV感染者が認められている.抗HIV療法は感染伝播予防に最も強いインパクトを与えるものであることを示した研究がHPTN052試験であり,抗HIV薬によりHIV伝播が96%低下することが示された.現在の抗HIV療法の治療ガイドラインは抗HIV療法によるHIV伝播抑制を強く勘案して,CD4数とは無関係に早期の抗HIV療法開始を推奨している.この数年はHIV療法のkey drugとしてインテグラーゼ阻害剤の位置付けが増えており,最新のdolutegravirは今までの抗HIV薬でも最も優れた薬剤の1つである可能性がある.

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© 2014 一般社団法人 日本内科学会
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