2014 年 103 巻 2 号 p. 316-326
不整脈原性右室心筋症(arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy:ARVC)は右室の拡大と機能低下,および右室起源の心室性不整脈を特徴とする心筋症である.遺伝的要因があり,心筋細胞間の接着に関与するデスモゾーム関連遺伝子の異常などが明らかになっている.2010年には初期病変や保因者への診断感度を高くした新たな診断基準が示された.本疾患は若年者の突然死の原因となることもあるため,早期診断と心室性不整脈と心不全に対する適切な治療が重要である.