2014 年 103 巻 5 号 p. 1101-1107
運動後にみられる急性腎障害には,ミオグロビン尿性と非ミオグロビン尿性の2種類がある.ミオグロビン尿性はマラソンなど過度の運動により横紋筋が融解されて起こる急性腎障害で赤褐色尿(コーク色の尿)で発見される.血清CK値は基準値上限の20倍以上と著しく高い.一方,非ミオグロビン尿性は運動後急性腎障害(ALPE)で,典型例は運動会で200 mを全力疾走した後に,背腰痛で発見される.血清CK値は基準値内か軽度上昇で,腎性低尿酸血症患者に起こりやすい.