2014 年 103 巻 5 号 p. 1108-1115
AKIを起こす血液疾患として,白血球系では,1)腫瘍崩壊症候群(tumorlysis syndrome),2)多発性骨髄腫(myeloma kidney)がある.また,赤血球系と血小板系では,溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome:HUS)・血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)が臨床的に重要である.それ以外に,治療として使用した薬剤あるいは放射線によって障害が起こることもある.原疾患の治療を行いながら,AKIの治療も同時に施行する必要がある.状況を判断し,血液浄化療法を開始することもある.