2015 年 104 巻 4 号 p. 769-774
関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)に対してetanercept(ETN)治療中の74歳女性.低疾患活動性で推移していたが,投与開始6年後,皮膚・肺サルコイドーシスを発症した.さらに,心臓 MRIでは心筋炎を示唆する所見を得た.ETNによるサルコイドーシス発症の可能性を考え,投与を中止したところ所見の改善を得た.TNF阻害薬投与中のサルコイドーシス発症はparadoxical reactionとして注目されており,通常の発症より明らかに頻度が高く注意を要する.