抄録
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は,他疾患を併発することが多い.これらの疾患(併存症)はCOPDの重症度やQOL(quality of life),生命予後に影響を及ぼすため,併存症の予防と治療が極めて重要になる.生命予後に影響を及ぼし,死亡原因として特に重要な併存症は,心血管疾患(虚血性心疾患,心不全,心房細動)と肺癌である.軽症のCOPDにも併存症が存在している可能性があり,COPDを全身性疾患としてとらえ,常に併存症の存在を念頭に置いた診療を行うことが重要である.