日本内科学会雑誌
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今月の症例
心臓サルコイドーシス再燃に対してメトトレキサートの併用が有効であった1例
伊勢 孝之高木 恵理岩瀬 俊楠瀬 賢也山口 浩司八木 秀介山田 博胤添木 武若槻 哲三佐田 政隆
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2015 年 104 巻 6 号 p. 1175-1179

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抄録
心臓サルコイドーシスの標準的治療はステロイドであるが,ステロイドを投与中であっても再燃を認めることも多く,またステロイドの多岐にわたる副作用も問題となることが多い.症例は70歳代,女性.心臓サルコイドーシスの診断でプレドニンを維持量5 mg/日で加療されていた.定期検査で施行した心電図で陰性T波,前壁心尖部に新規の左室壁運動異常を認めた.FDG-PET,Gaシンチグラフィーで壁運動異常部位に一致して集積を認め,心臓サルコイドーシスの再燃と判断した.本症例では,ステロイドの副作用として糖尿病,肥満,白内障などを認めており,ステロイド増量が躊躇され,メトトレキサートの併用を開始した.メトトレキサート開始後,特に副作用を認めず,心電図ならびに左室壁運動異常の改善が認められた.ステロイド投与で再燃を認める心臓サルコイドーシス症例にはメトトレキサート併用も考慮すべきであると考えられた.
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© 2015 一般社団法人 日本内科学会
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