2016 年 105 巻 2 号 p. 206-214
大動脈弁疾患に対するこれまでの外科的治療は,主に人工弁を使用した大動脈弁置換術が選択されてきたが,近年では主に大動脈弁閉鎖不全症に対して大動脈弁形成術が選択されることが多くなってきている.
大動脈弁尖の条件によって,大動脈弁形成のテクニックが考えられ,大動脈弁逆流の原因によって適切なテクニックを選択し,形成術が行われている.解剖学的な異常(ニ尖弁,単尖弁など)や弁尖自体の異常(著しい逸脱,石灰化など)には自己心膜を使用した大動脈弁再建術についても良好な結果が報告されている.