日本内科学会雑誌
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II.各論
2.慢性腎臓病における冠動脈疾患の特異性
藤井 秀毅西 慎一
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2016 年 105 巻 5 号 p. 818-824

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抄録

慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)において心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)は重要な問題であり,死亡原因の第一位であることが知られている.慢性腎臓病では冠動脈疾患の頻度は高いが,そのステージが進行すると急性冠症候群よりも心不全が発症することが多いと考えられている.それには石灰化の関与や微小循環障害の関与が推測されている.造影剤による腎機能低下を懸念し,慢性腎臓病という理由で不適切な治療を行うことは避けるべきであり,病態に応じて適切な治療を行うべきである.

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© 2016 一般社団法人 日本内科学会
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