日本内科学会雑誌
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今月の症例
尿細管への鉄沈着を認めた剣道行軍ヘモグロビン尿症候群の1例
西岡 里香祖父江 理大西 啓右藤田 拓朗尾崎 太郎守時 政宏西島 陽子今滝 修串田 吉生南野 哲男
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2017 年 106 巻 6 号 p. 1191-1198

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抄録

14歳,男児.剣道の練習後に肉眼的血尿と尿蛋白を認め,受診した.部活動後に限定された肉眼的血尿というエピソードや溶血所見より,剣道にて誘発された行軍ヘモグロビン尿症候群の診断に至った.腎炎合併を否定するため施行された腎生検では近位尿細管への鉄沈着を認めた.若年者の運動後に検尿異常を認めた場合,運動歴の聴取が診断には必須である.予防により血管内溶血を軽減させることが可能であるため,予防策の提示も重要である.

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© 2017 一般社団法人 日本内科学会
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