2017 年 106 巻 7 号 p. 1383-1390
妊婦健診においてヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)検査が必須項目となり,妊婦健診で判明したHTLV-1キャリア妊婦に対する相談支援体制の構築が必要となった.当初,HTLV-1キャリアの一次相談窓口としての保健所が想定されたが,キャリアが求める相談内容は多彩であり,保健所だけでは解決できない問題も多い.特にカウンセリングや授乳相談,相談窓口におけるHTLV-1ウイルスの認知度の差,相談体制の地域差等を考慮すると,地域の基幹施設との連携を基盤としたキャリア相談窓口の整備が必要である.