日本内科学会雑誌
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IV.腎不全/透析と感染症
宇野 健司
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2019 年 108 巻 11 号 p. 2275-2285

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抄録

我が国では成人8人に1人が慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)に罹患しており,また,透析患者も30万人を超えている国民病といっても過言ではない.CKD患者や維持透析患者は細胞性・液性免疫の低下があるため,感染症に罹患しやすい状況にあり,特に肺炎,敗血症,結核,インフルエンザならびに帯状疱疹,また,腹膜透析患者ではそれに加え,腹膜関連感染症(カテーテル出口部・トンネル感染及び腹膜炎)の罹患リスクや死亡リスクが上がるため,注意が必要であり,これらの疾患に対しては,ワクチンや曝露後予防等を積極的に行うことにより,リスクを下げるよう努めることが重要である.また,投与の際には,腎機能に応じた投与量の調節が必要な薬剤もあるため,予め調節が必要な薬剤のチェックを行っておくことが必要である.

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