日本内科学会雑誌
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VIII.高リン血症と内分泌疾患~高リン血症を考える
槙田 紀子
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2020 年 109 巻 4 号 p. 752-759

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抄録

血中リン濃度は,細胞外液へのリンの流入と腎からの排泄による出納バランスによって狭い範囲に維持されており,主に腎からの排泄障害によって高リン血症になる.そのほとんどが腎不全によるが,腎からのリン排泄を調節するナトリウム・リン共輸送体(sodium/phosphate cotransporter 2:NaPi-2)の作用亢進によっても高リン血症を来たす.PTH(parathyroid hormone)やFGF23(fibroblast growth factor 23),GH(growth hormone)はNaPi-2の発現・活性を制御する代表的なホルモンで,それらの異常を来たす内分泌疾患も高リン血症の原因となる.一方,急激なリン負荷は急性高リン血症の原因となる.

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© 2020 一般社団法人 日本内科学会
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