日本内科学会雑誌
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今月の症例
日本紅斑熱の治療経過中に中毒性表皮壊死症を続発した1例
大西 真生田中 雄紀吉田 紗衣子川崎 和佳子高村 聡人長田 薫梶原 秀喜山藤 栄一郎上田 研
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2023 年 112 巻 10 号 p. 1958-1965

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抄録

79歳,女性.発熱,下痢を主訴に救急搬送された.明らかな刺し口は認めなかったが,全身に淡い紅斑の散在を認めた.千葉県南部での農作業歴からリケッチア感染症を疑い抗菌薬治療を開始し,後日抗体検査結果から日本紅斑熱と診断した.治療中に全身の紫斑と水疱が出現し,日本紅斑熱に伴う急性感染性電撃性紫斑病(AIPF)も疑われたが,臨床所見から中毒性表皮壊死症(TEN)と判断し,被疑薬中止とステロイド治療により治癒した.

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© 2023 一般社団法人 日本内科学会
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