日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
112 巻, 10 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
内科学会NEWS
目次
特集 関節リウマチの最新の理解とマネジメント
Editorial
トピックス
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 高折 晃史
    2023 年112 巻10 号 p. 1966-1972
    発行日: 2023/10/10
    公開日: 2024/10/10
    ジャーナル フリー

    HIV感染症は,抗ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)療法により,不治の病から慢性感染症に変化した.抗HIV療法はその改良により,現在1日1回1錠のSTR(single tablet regimen)が主流であるだけでなく,長時間作動性の注射剤も臨床現場に用いられるようになっている.抗HIV療法は,全てのHIV感染者に治療開始が推奨され,それにより新たな感染予防効果も認められる.

  • 猪阪 善隆
    2023 年112 巻10 号 p. 1973-1978
    発行日: 2023/10/10
    公開日: 2024/10/10
    ジャーナル フリー

    AIやICTの技術は指数関数的に進化するとされ,AIが人間に置き換わるとの議論もある.AIが有する①無制限の集中力と持続力,②超高速の論理的思考力,③膨大な記憶力と検索力は医療に革新的な変化をもたらす可能性がある.海外ではAIやICTの活用や社会実装が進んでいる.わが国でも課題も多いものの,腎臓病診療においてもAIやICTは活用され始めている.ICTを利用した遠隔医療や医療支援は日常診療にも応用されつつある.今後は適正な使用のための指針も必要となる.AIによる腎生検の画像診断も病理医の診断に近づいてきた.今後の臨床研究においてビッグデータ解析は重要である.AIはビッグデータや画像診断などから学習することにより診断・予測を行うだけではなく,人間が従来発見できなかった関係性を発見する可能性もある.AIの膨大な検索能力は論文のシステマティックレビューにも有用である.今後AIやICTの活用が腎臓病分野において期待される.

  • 相馬 孝博
    2023 年112 巻10 号 p. 1979-1990
    発行日: 2023/10/10
    公開日: 2024/10/10
    ジャーナル フリー

    “Diagnostic Error”は古くから知られており,21世紀に入ってから多くの研究報告がなされるようになった.並行して社会的認知理論の発展により,診断という行為は,人間の頭の中で考えるモデルから,チーム・組織・社会までを含めた広いモデルが提案されている.2015年に全米医学アカデミーは「医療における診断を改善する」報告書を公にして,「a)患者の健康問題について,正確かつ適時な説明ができなかった,またはb)その説明が患者に伝わらなかったこと」と再定義し,将来にわたる各種の政策提言を行った.2020年に医療の質研究庁はメタアナリシス報告書「医療をより安全に」第3版で,エビデンスのある医療安全方策として,臨床判断支援システム,結果通知システム,教育と訓練,ピアレビューを特定した.2022年には非営利団体のリープフロッグが,研修教材などとも連携した,医療現場で利用しやすい29の推奨策を作成した.“Diagnostic Error”は,医師の認知やヒューリスティックな問題にとどまることなく,非常に広範な概念を持ち,個人やチームのみならず,最終的には国家戦略として対応しなければならない重要課題である.

専門医部会
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
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