2023 年 112 巻 10 号 p. 1950-1957
60代,男性.口内炎と全身のびらんが出現し,皮膚生検にて当初尋常性天疱瘡と診断された.精査目的で施行した体幹部CTで左腸骨領域をはじめ全身のリンパ節腫脹を認め,リンパ節生検の結果,濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma:FL)の合併が確認されたため最終的に腫瘍随伴天疱瘡(paraneoplastic pemphigus:PNP)と診断した.PNPは感染症の合併が致命的となることから,厳重な感染管理により生命予後の改善が期待される.