2023 年 112 巻 6 号 p. 926-930
進行期肺癌の治療成績はこの10年で大きく進歩した.免疫チェックポイント分子に対する抗体によるT細胞免疫療法は,これまでに想像しなかった長期生存を生んだ.PD-1阻害薬単剤治療で始まったICI(immune checkpoint inhibitors)治療は,プラチナダブレット併用,抗CTLA-4抗体併用など複合免疫療法へと進化したが,長期フォローアップによりそれぞれの特性が明らかになりつつある.ここでは,進行期肺癌免疫療法の進歩と現状について述べる.