2024 年 113 巻 4 号 p. 641-647
甲状腺機能低下症は代表的な内分泌疾患だが,患者自らが病気を疑い,内分泌・甲状腺専門医を受診することは少ない.本症を疑い早期に診断するか,長期に見逃すかは,一般内科医や他科専門医の経験や眼力に左右される.未発見・未治療の状態が長く続くと,何らかの誘因が加わった際に,低体温・循環不全・呼吸不全等から意識障害を伴う粘液水腫性昏睡を発症する.この状態に至ると,死亡率が約30%と高いので,まずはそこに至らせない留意・方策が肝要で,それでも粘液水腫性昏睡が疑わしい場合は迅速に治療を開始することが重要である.