不整脈の治療では, 不整脈そのものを治療すべきかの判断と, 如何なる治療法を選択すべきかが重要となる. 実際に治療すべきと判断されたならば, 薬剤治療を行うべきか, カテーテルアブレーション, 植込み型除細動器 (ICD) など非薬物治療を選択すべきかの判断が要求される. 集積されたエビデンスを参考とし, 個々の症例に至適な治療法を選択実施していく必要がある. 具体的に不整脈の治療方針を決定し, 治療を開始, 安全に継続するためには, 不整脈発生に関わる電気生理学的知識, 治療に用いる薬剤の差異に関する知識, そして忍耐が必要である. 今日までの治療学の流れをみると, 選択した治療法を施行した際に, 「少なくとも生命予後を悪化させない」という原則が存在する.