日本内科学会雑誌
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I. 診断と治療
1. ウイルス
2) ヘルペス脳炎
亀井 聡
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2006 年 95 巻 7 号 p. 1238-1243

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抄録

単純ヘルペス脳炎の診断と治療について概説した. 最近, 日本神経感染症学会より本症の診療ガイドラインが公表された. 診断は, 急性期には髄液を用いたPCRを主体として検索し, 発症2週間以後は髄腔内抗体産生の評価も併せて検討する. 但し, 検査方法や測定法について知識を持ち, 検査結果は臨床的に判断することが必要である. 一方, ガイドラインに準拠したアシクロビルによる適切な治療にも拘らず, 本症の転帰はいまだ満足すべき状況にない. このような現況から, 新たな治療戦略が必要と考えられる. その一つとして, 急性期の副腎皮質ステロイドの併用が挙げられる.

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© 2006 一般社団法人 日本内科学会
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