日本内科学会雑誌
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III.主な薬剤性肺障害
4.新規の分子標的薬
石川 暢久
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2007 年 96 巻 6 号 p. 1129-1136

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抄録
新規分子標的薬ゲフィチニブの薬剤性肺障害の発症は人種特異性を認め,日本人における発症頻度は欧米人に比較して非常に高い.大規模なケースコントロールスタディにより,ゲフィチニブによる薬剤性肺障害は約4%に発症し,通常の抗癌剤に比べてその発症リスクが約3倍高いことが明らかになった.さらに,治療に関わらず,喫煙歴有り,既存の間質性肺炎,全身状態不良,正常肺が少ないこと,高齢,心血管系の合併症が共通して抗癌剤による薬剤性肺障害発症の危険因子として特定された.
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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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