日本内科学会雑誌
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III.治療法の実際
4.扁桃摘出+ステロイドパルス療法
三浦 直人今井 裕一
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2008 年 97 巻 5 号 p. 1016-1020

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抄録

IgA腎症は,主に健診などの尿異常で発見され,腎生検でIgA優位の沈着を伴うメサンギウム増殖性腎炎である.1968年にBerger & Hinglaisによって報告された当初は,予後良好な疾患とされていた.その後20年以上の長期観察によって全体の約60%は比較的腎機能も保持される一方で,約30%の患者が末期腎不全に至ることが判明した.さらに5~10%は半月体形成を伴い急速に進行し5~10年以内に腎不全に至る危険がある.進行を規定する因子として,(1)蛋白尿1.0g/日以上,(2)高血圧,(3)発見当初からの腎機能低下があげられている.治療法としては,抗血小板療法,fish oil,副腎皮質ステロイド薬,免疫抑制薬,ACE/ARBが報告されてきた.2001年にHottaらが扁桃摘出+ステロイドパルス療法を報告し,完全寛解を目指す治療法としてわが国で広まり,年間500~600名で実施されている.治療成績も1年後の尿正常化率が約50%である.有望な治療法として期待されているが,今後,寛解後の再発率,長期腎生存率などを検討する必要がある.

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© 2008 一般社団法人 日本内科学会
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