日本内科学会雑誌
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医学と医療の最前線
腎臓病とミネラロコルチコイド受容体
長瀬 美樹
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2009 年 98 巻 11 号 p. 2894-2902

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抄録

近年,アルドステロン/ミネラロコルチコイド受容体(mineralocorticoid receptor:MR)系の過剰な活性化が腎臓病の成因として注目されている.アルドステロン投与ラットやメタボリックシンドロームモデルラットなど,アルドステロン過剰状態ではリガンド依存性にMRが活性化され,糸球体足細胞障害,蛋白尿,腎障害が生じやすい.これらは塩分過剰摂取時に顕著となり,MR拮抗薬が有効である.一方,血中アルドステロン濃度が高くなくても標的臓器においてMR活性化による障害が生じうることがわかってきた.筆者らは,低分子量G蛋白Rac1がアルドステロン非依存性にMRを活性化すること,Rac1とMRのクロストークが慢性腎臓病モデルの病態に深く関与することを見いだした.今後,メタボリックシンドローム患者の腎障害に対するMR拮抗薬の有用性や,慢性腎臓病の新たな治療薬としてのRac阻害薬の可能性に期待がもたれる.

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© 2009 一般社団法人 日本内科学会
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