日本内科学会雑誌
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II.病因と病態
2.気道炎症と気道リモデリングの分子病態
井上 博雅
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2009 年 98 巻 12 号 p. 3006-3012

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抄録

気管支喘息の基本病態は,好酸球・リンパ球・肥満細胞を中心とした慢性の気道炎症と気道過敏性亢進である.気道炎症に引き続き,気道上皮の杯細胞化生,基底膜肥厚,平滑筋の肥大や過形成,血管新生,粘膜下腺の増生などの気道リモデリングが生じ,非可逆性の気道狭窄をもたらす.IL-13などのT細胞由来のサイトカインや好酸球由来のTGF-βなどが,喘息にみられる気道炎症やリモデリングの成立に重要な役割を担っている.

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© 2009 一般社団法人 日本内科学会
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