日本内科学会雑誌
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今月の症例
汎血球減少を示した銅欠乏症の1例
廣瀬 精久三澤 眞人岡内 省三大本 明義矢部 博樹中島 弘二
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2009 年 98 巻 6 号 p. 1372-1374

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抄録
症例は血液透析中の72歳女性.脳梗塞発症により摂食障害となり腎不全用流動食による経管栄養を開始.経腸栄養開始約1カ月後の当院転院時よりエリスロポイエチン不応の貧血を認めたが,10カ月後より好中球減少,14カ月後には中等度の汎血球減少状態となった.特徴的な骨髄像から銅欠乏が判明.銅を含む微小元素製剤の経静脈投与により汎血球減少は速やかに改善した.銅欠乏は稀な状態であるが長期の中心静脈栄養や経管栄養施行例では起こりえるため注意を要する.
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© 2009 一般社団法人 日本内科学会
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