2010 年 99 巻 7 号 p. 1605-1610
血管新生は癌の悪性化に大きな役割を果たすことが知られており,近年様々な血管新生阻害剤の開発が進んでいる.ベバシズマブは血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)に対する中和抗体で,非小細胞肺癌に対して2つの第III相比較試験で化学療法との上乗せ効果を示した唯一の薬剤である.進行・再発結腸直腸癌に続いて2009年11月に本邦で承認を受けた.すでに海外のガイドラインで推奨されており新たな標準治療となる薬剤として注目されている.