抄録
慢性気管支炎は,ようやく,わが国の呼吸器疾患の中で重要な疾患の一つに数えられるべき状態になりつゝあるが,難治の疾患であつて,全治せしめることは必ずしも容易ではない現状である.そこでわれわれは,慢性気管支炎を気道感染の強弱および閉塞性換気障害の有無により4型に分けた新しい臨床的分類を提案し,その有用性について検討を加えた.この分類は慢性気管支炎の経過中のある時点における状態を卒直に表現し,行なうべき治療方針をうるためのものである.従つて治療効果のいかんによつては,ある型から他の型へ移行する場合もありうる.ともあれ,慢性気管支炎と診断された延べ252例について,化学療法薬・抗炎症薬・気管支拡張薬・酵素薬による治療を実施して検討を加えた結果,われわれの臨床的分類は薬物の選沢・治療成績の向上に対し実地上の価値を有するものであることが判明した.