日本内科学会雑誌
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気管支拡張症の病態生理にかんする研究
とくに気管支壁の吸収機能を中心として
深谷 汎
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1964 年 53 巻 8 号 p. 1024-1033

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抄録
気管支の病態生理究明の一環として,とくに臨床ならびに実験的気管支拡張症における気管支壁の溶液吸収機能を,気管支内注入のradioisotope(32PおよびRI標識薬物)の血中放射能曲線の解析法で究明した.さらにこれらと,他の各種呼吸器疾患(気管支喘息,肺結核症,肺化膿症,肺癌その他)とも比較し,また気管支の諸性状(気管支造影,気管支鏡,合成樹脂イ型標本,病理組織像)との関係を追求した,その結果,健常気管支の溶液吸収機能は強力であるが,臨床例および実験例を通じて病態時にはいずれも低下がみられ,ことに気管支拡張症では各種病変中最も低下し,これらは病変の強度,その他とくに拡張形態による相当の差異(嚢状は棒状より低下)が確認された. 14C-benzylpe-nicillinでもほゞ同傾向を示し,これからまた,各疾病間における気管内薬物注入療法の効果ないしその差異をある程度推察しえた.
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