日本内科学会雑誌
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ミオクローヌスを伴うEvans症候群の1例
飯田 光男加知 輝彦祖父 江逸郎橋本 佳子
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71 巻 (1982) 7 号 p. 960-966

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抄録

5年前より自発性の低下した43才,男子例において,鼻出血および舌・頚部・四肢のミオクロ一ヌス様の不随意運動をもつて発症し,諸検査により,特発性血小板減少性紫斑病(ITP)および自己免疫性溶血性貧血症(AIHA)の合併が認められたEvans症候群の1例を報告する.両者の合併は1951年Evansらによる4症例報告に端を発して以来注目され,両者が自己免疫という共通機序の1スペクトルの両端に位置する疾患としての興味が持たれている.また,この症例ではLE細胞陽性,クームス直接試験陽性,抗DNA抗体陽性,血清補体価・immune complexの高値,皮膚科的検索により, SLEが基礎疾患と考えられた.続発性AIHAの場合, SLEを基礎疾患として発症するものが高率に認められ,本例もこのcategoryに入るものと考えられた. Evans症候群に随伴する神経症状としては, ITPによる限局性頭蓋内出血以外にみるべきものがなく,むしろ基礎疾患であるSLEによる神経症状が重要なものとして注目されている.本例にみられたミオクロ一ヌスもprednisolone投与およびクロナゼパム投与による軽快,経過中に合併した右上肢運動麻痺などより, SLEによる脳内細動脈のfibrinoid degenrationと増殖性肥厚に伴う小軟化巣病変により発生したものと考えられた. SLEに随伴する不随意運動は舞踏病が多いが,ミオクローヌスは極めて希なものである.

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