日本内科学会雑誌
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悪性本態性高血圧症の発症誘因に関する研究
瀬底 正司杉山 和秀明間 勤子松川 俊義金子 好宏
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1987 年 76 巻 11 号 p. 1690-1694

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抄録
悪性高血圧症の発症誘因を明らかにするため,悪性および良性本態性高血圧症患者それぞれ39名について,高血圧歴をretrospectiveに比較検討した.高血圧を初めて指摘された時の血圧値は悪性群の方が良性群より有意に高かった.年令には有意差はなかった.降圧薬治療を中断したものが悪性群(49%)では良性群(28%)より有意に多かった.入院前1年間,仕事などのために生活上大きな無理(過度の睡眠不足,過労,強度の精神的緊張の持続)をしたものが悪性群の37%に認められた.これらの結果より,発症早期からのより強い血圧上昇,降圧薬の中断,肉体的精神的ストレスの持続が悪性高血圧症の発症誘因として示唆された.
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