日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
運動負荷後に出現する陰性U波の臨床的意義について
下野 武俊久保 田功池田 こずえ立木 楷安井 昭二
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 76 巻 6 号 p. 810-817

詳細
抄録

運動負荷後に出現する陰性U波の臨床的意義について,虚血性心疾患を疑って冠動脈造影を施行した265例のうち,心筋梗塞,心筋症,弁膜疾患,心室内伝導障害を除いた147例(男性111名,女性36名)を対象として,冠動脈の狭窄度,出現する誘導部位,振幅,型,負荷に伴う血圧,心拍数の変化から検討した.冠狭窄群85例串29例(34.1%)に陰性U波を認め,うち25例は内径の90%以上の高度冠狭窄を有していた.陰性U波の出現する誘導部位は重症な病変部位を反映していた.陰性U波の出現機序として,狭心症患者においては,心筋虚血と関連している事が示唆された.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top